米政府、南スーダンへの移民追放を正当化
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【5月22日 AFP】米政府は21日、アジア系を含む移民集団を内戦下の貧困国、南スーダンに追放する決定を正当化する一方、南スーダンが最終目的地ではないことを示唆した。
米国土安全保障省のトリシア・マクラフリン報道官は、ボストンの連邦地裁判事が移送を一時停止したことを強く非難し、「この類いまれな野蛮さを持つ怪物たちを連れ戻すことを米国に強制しようとしている」と述べた。
判事は20日、連邦政府に対し、「現在、南スーダンまたはその他の第三国に追放されている原告団員の身柄を維持し、裁判所が追放を違法と判断した場合、米国に連れ戻すことの実現可能性を確保する」よう命じた。
21日に行われた新たな審理で、ブライアン・マーフィー連邦地裁判事は、政府が以前の命令の一つに違反したと指摘し、追放に異議を申し立てるために移民たちに与えられた期間は「明らかに不十分」だったと述べた。
ホワイトハウスは、南スーダンに追放された8人の男性について、ミャンマー人2人、キューバ人2人、ベトナム人1人、ラオス人1人、メキシコ人1人、南スーダン人1人だと声明で説明。彼らが犯したとされる罪を列挙した。
マクラフリン氏は記者団に「飛行機に乗っていたのはこの8人だけだ」「安全上と運用セキュリティー上の理由から、8人の最終目的地を伝えることはできない」と述べた。
質問を受けると、マクラフリン氏は「そこが彼らの最終目的地ではないことを確認している」と答えたが、経由地として南スーダンの名前は挙げなかった。
政権が判事の決定を尊重するかどうかを問われると、マクラフリン氏は「彼らは依然として国土安全保障省の拘束下にある」「われわれは合衆国憲法に基づく適正手続きに従っている」と答えた。
政府は国外追放する人々に十分な猶予を与えたとしているが、ベトナム人とミャンマー人の弁護士は裁判所への提出書類の中で、依頼人が自身の追放を知ったのは追放前夜、あるいは追放当日の20日になってからだったと主張している。
弁護士らは、政府が依頼人に国連拷問等禁止条約に基づく保護を申請する時間を与えなかったことで以前の命令に違反したと指摘している。(c)AFP