【5月23日 AFP】米国のドナルド・トランプ政権は22日、名門ハーバード大学の留学生受け入れ資格を取り消したと発表した。トランプ氏は同大学への攻撃を強めている。

マサチューセッツ州ケンブリッジにあるハーバード大学はこの措置について、「違法」で同大と米国の双方に損害を与えると即座に非難した。ある学生は、同大が「パニックに陥っている」と述べた。

トランプ氏は、ノーベル賞受賞者を162人輩出したハーバード大学が、反ユダヤ主義と「ウォーク(目覚めている、の意。社会問題や人種差別、性差別などへの意識が高いことを示す)」なリベラル思想の温床だと主張し、入学と採用に関する監督に従うよう求めたが、同大がこれを拒否したことに激怒している。

留学生が全学生の約4分の1を占め、これほど多くの学生を失えば、年間数万ドルの授業料を課しているハーバード大学にとって、大きな経済的打撃となる可能性がある。

クリスティー・ノーム国土安全保障長官はハーバード大学に宛てた通知文で、「ハーバード大学の学生および交流訪問者情報システム(SEVIS)プログラム認証は、即時取り消される」と述べた。SEVISとは、外国人の米国留学を許可する主要な制度。

別の一連の懲罰措置をめぐって連邦政府を訴えているハーバード大学は、この措置は「違法」だと即座に反論。

「本学は、留学生と研究者を受け入れる能力を維持することに全力を尽くしてる」と声明で述べ、学生への指導と支援の提供に取り組んでいると付け加えた。

さらに、「この報復措置は、本学コミュニティーと米国に深刻な損害をもたらす恐れがあり、ハーバード大学の学術研究の使命を損なう」と続けた。(c)AFP