中国・海外で温室建設、技術で世界に貢献
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【5月28日 Peopleʼs Daily】工場の外では、温室の建設材料を満載したコンテナトラックが次々と出発の準備を整えている。工場内では、スマート溶接ロボットが銀白色の亜鉛メッキ鋼板を溶接し、標準部材に加工している。
山東省(Shandong)寿光市(Shouguang)にあるハイテク温室の設計・製造・設置までの一貫サービス企業「利森特農業科技(Lisente Greenhouse)」の工場では、多くの注文を受け生産に追われている様子が見て取れた。
同社の王守波(Wang Shoubo)董事長は「今生産しているのは数日後に海外へ出荷されるロットで、寸法精度は差ミリメートル単位で管理しなければならない」と説明した。
創業15年、王氏が率いるチームは「寿光の温室技術」を29か国に届け、262の栽培園区を建設した。王氏の話によると、同社は海外の顧客に対して、立地選定、温室建設、栽培、販売、研修までの全工程一貫サービスを提供している。
会社の材料実験室では、エンジニアたちが新型ナノコーティング材料の耐候性テストを行っていた。「この材料は高温に耐えられ、寿命が3倍延長された。サウジアラビアに輸出される予定だ」、こう言って実験室を出た王氏は、次に弧形に加工されたスチール製の梁材を指さし「この梁材は温室の耐風等級を12級にまで強化したもので、中央アジアの風の多い地域で特に人気がある」と続けた。
同社はハードウェアだけでなく、技術とサービスも輸出している。会社の試験農場には、世界中の栽培環境を再現した縮小版の温室が20基設置されている。王氏は「ドバイの砂地、ロシアの雪原、アフリカの乾燥地帯など、海外進出プロジェクトは全てここで『事前検証』を行う」と説明した。そして温室内のセンサーを指さして「この自社開発のIoTシステムは、50項目の環境パラメーターをリアルタイムで監視し、作物の収量を大幅に向上させる。また、整地から収穫までのガイド動画をQRコードで視聴できるサービスも提供している」と紹介した。
「ハードインフラとソフトサービスの組み合わせ」で、「寿光の温室」は海外に根付いている。ウズベキスタンのシルダリヤ川の川沿いでは、同社の水肥一体化技術により、トマトの1ムー(約666.7平方メートル)当たりの収入が従来の6倍になった。サウジアラビアの西北部に建設された「新未来都市」プロジェクトでは、同社が建設したスマートガラス温室が現地に必要とされる有機野菜の90%を供給している。
王氏は「今年は東南アジアに『栽培技術共有センター』を建設し、また『一帯一路(Belt and Road)』協力国との『農業協力センター』を設立し、栽培技術をさらに多くの友人たちと共有しようと計画している」と抱負を語った。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews