「転ばぬ先のロボ」…韓国発ウェアラブルで高齢者の転倒リスク大幅軽減
このニュースをシェア

ヘルスケア・補助器具などを手掛ける韓国スタートアップ「ウィロボティクス(WIRobotics)」の研究開発(R&D)チームがこのほど、ウェアラブルロボットが着用者の転倒リスクを実質的に予防できるという研究結果を国際学術誌「Scientific Reports」で発表した。
研究チームは、水原市霊通区保健所と協力して臨床研究を実施し、超軽量ウェアラブルロボット「ウィム(WIM)」の歩行補助機能が高齢者の歩行能力改善に与える効果を実証的に確認した。
研究では、9人の高齢者を対象に4週間で計8回の屋外歩行訓練を実施し、ウィム着用の効果を重点的に分析した。その結果、10メートル歩行時の速度が14.8%向上した▽立ち上がって歩くテスト(TUG)は24.5%改善した▽足首の背屈筋力は75.4%強化された――などの効果が見られた。
特に、転倒リスクを実質的に予防できることが明らかになった。股関節の補助が足首の筋力まで強化する効果は、今後の高齢者向け転倒予防プログラムにおいて、ウィムの応用可能性と拡張性を示す実証的な事例として評価されている。
論文では、これまでに発表された12種の市販および研究用ロボット外骨格とウィムを比較分析した。ウィムは最も軽量な構造でありながら、一般的に重量があり複雑なデュアルアクチュエーター型ロボットと同等かそれ以上の代謝エネルギー削減効果を示した。特に重量に対する効率性では最高水準を記録した。
ウィムのこの成果は、人間の生体力学的構造と歩行力学に対する深い理解を基に実現されたものだ。ウィロボティクスは「股関節の動力生成への寄与」と「屈曲-伸展トルクの逆位相対称性」に注目し、1つのアクチュエーターで両側の股関節を双方向に同時補助するメカニズムを実装した。
ウィムは、単一のアクチュエーターで両側の股関節の屈曲と伸展を同時に補助できる構造を持つ超軽量歩行補助ウェアラブルロボットであり、総重量はわずか1.6kg。歩行機能の向上とエネルギー消費の改善効果が確認された。
ウィロボティクス関係者は「今回の研究を通じてウィムの臨床的効果と技術的優秀性が国際的に証明されたことから、今後はリハビリ治療、高齢者向けヘルスケア、産業現場での作業補助など、さまざまな分野での実用拡大を積極的に進めていく」と述べた。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News