ロンドンで2000年前のローマ時代の壁画発見
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【6月20日 AFP】英ロンドン考古学博物館(MOLA)は19日、ロンドンでこれまでに発見されたローマ時代の壁画の中で最大級のコレクションを発掘し、断片をつなぎ合わせて再現したと発表した。
この壁画は2021年にテムズ川南岸サザーク区の建設現場で発見された。初期ローマ時代(紀元43-150年)に建てられた格式ある建造物の内壁20面ほどを飾っていたものとされる。
壁材は巨大な穴の中から発見されたが、これは紀元200年以前にローマ人が行った解体作業の際に粉砕され、廃棄されたと考えられる。
MOLAの建築材料専門家ハン・リー氏は、過去3か月間にわたってこれらの破片を広げ、壁画の再現に取り組んできた。「一生に一度あるかないかの機会で、作業を始める際には興奮と緊張が入り混じる思いだった」と語った。
「多くの断片は非常に繊細で、しかも解体された複数の壁面の破片が混ざっていたため、世界で最も難解なジグソーパズルを組み立てるような作業っだった」という。
その結果、ローマ時代末期のロンドンに生きていた人々ですら目にしなかったであろう壁画を、われわれは目にすることとなった」
再構成された壁画には、鮮やかな黄色のパネルに鳥や果実、花、そして竪琴(リラ)といった図像が描かれていた。
断片の中には画家の署名の痕跡も含まれていたが、肝心の名前の部分は現存していない。また、古代ギリシャ文字を用いた珍しい落書きも見つかった。
同じ建設現場からはすでにモザイク画や、珍しいローマの霊廟も発見されている。(c)AFP