13歳少年、勾留中に両手縛られその後切断 警察の「拷問」と認定 マラウイ
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【6月21日 AFP】アフリカのマラウイの裁判所は、13歳の少年が警察で勾留されている間に両手を縛られ、うっ血を起こし、その後、両手の切断を余儀なくされた件について「拷問」と認定した。南部アフリカ訴訟センター(SALC)が20日、発表した。
少年は、2024年1月に金銭を盗んだとの疑いで、数日間警察に勾留されていた。
その際、警察官に両手をゴムベルトできつく縛られ、うっ血を引き起こし、最終的に両手の切断を余儀なくされた。
裁判所は今年4月、少年に重傷を負わせた罪で2人の警察官に有罪判決を下した。しかし、マラウイ刑法には、拷問に関しては別個の犯罪として規定する条項がないため、裁判所は虐待行為を「拷問」とは認定しなかった。
少年の訴訟を支援しているSALCは、高等裁判所は19日、警察の「過度の行為は拷問に当たり、残虐かつ非人道的、品位を損ねる扱いに該当する。したがって違法かつ違憲と認められる」との判決を下したと明らかにした。
SALCは今回の判決について、「正義への一歩」と評価する一方、拷問に関しての刑事訴追は行われていないため、「部分的な勝利」にすぎないとした。
検察当局はこれまで、こうした事件に暴行罪や傷害罪などを適用してきた。有罪になれば、禁錮14年以下が科される。
しかし、これらの罪名では「拷問や、残虐で屈辱的、非人道的な扱いの深刻さや重大さを十分に捉えているとは言えない」とSALCは指摘している。(c)AFP