【6月26日 AFP】海面上昇により水没の危機にある南太平洋の島国ツバルで、国民の3分の1近くがオーストラリアへの移住を可能にする画期的な「気候ビザ(査証)」を申請していることが分かった。AFPが入手した公式データで明らかになった。

オーストラリアの同プログラムに関する公式データによると、第1弾のビザの抽選受け付け開始からわずか4日間で3125人が応募。2022年の国勢調査によれば、ツバルの人口は1万643人で、このうちの3分の1近くに相当する。

オーストラリア政府は、ツバルとの気候移住協定の一環として、年間280人のツバル国民にビザを提供。オーストラリア政府は、同協定を「世界初の取り組み」と位置付けている。

気候変動の脅威に最もさらされている地域の一つであるツバルについて、科学者は「今後80年以内に居住不可能になる」と懸念を示している。

同国を構成する九つの環礁(島)のうち、すでに二つは大部分が海面下に沈みつつある。

ビザの登録費用は25豪ドル(約2400円)で、抽選は7月18日に締め切られる。(c)AFP