【5月10日 AFP】業績不振に苦しむフィンランド携帯大手ノキア(Nokia)は9日、価格がわずか99ドル(約1万円)のタッチスクリーン搭載スマートフォン(多機能携帯電話)「アシャ501(Asha 501)」を発表した。インドなど新興国で売り上げの巻き返しを目指す。

 インドの首都ニューデリー(New Delhi)で行われた発表記者会見では、スティーブン・イーロップ(Stephen Elop)最高経営責任者(CEO)が自ら「アシャ501」を披露。実質本位の携帯電話から卒業するユーザーを対象とし、「手頃な価格帯のスマートフォンを再発明する」ものだと説明した。

 ヒンズー語で希望を意味する「アシャ」は、基本ソフト(OS)にウィンドウズを搭載したノキアの上位機種「ルミア(Lumia)」に似た外観と、多数のソーシャルネットワーキング機能を備えている。6月に出荷を開始し、90か国で発売する。

 イーロップ氏は、ネット接続が可能な低価格スマートフォン市場は2015年までに400億ドル(約4兆円)規模に成長するとのアナリストらの分析を紹介した。

 アナリストの多くは、かつては携帯電話市場を席巻したノキアの将来は、インドやアフリカ、中南米など、急成長を遂げながらもスマートフォン普及率はまだ低い国々で低価格端末を販売していくことにあるとみている。

 ニューデリーに住むフリーランスの通信業コンサルタント、クナル・バジャジ(Kunal Bajaj)氏は、世界を相手にする通信端末メーカーたちが着目するのは大量の需要が見込める100ドル(約1万円)未満の価格帯だと、AFPに語った。

 インドで昨年売れた携帯電話のうちスマートフォンが占める割合は10%だったが、国際コンサルティング企業ガートナー(Gartner)のアナリストによると、今年のスマートフォン販売台数は45~50%増加する見通しだ。(c)AFP/Penny MacRae