【7月23日 AFP】スウェーデン教会(Church of Sweden)は22日、同国で女性聖職者の数が男性を上回ったと発表した。約60年前に女性の聖職者が認められて以降、女性の数が男性を上回るのはこれが初めて。

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 スウェーデン教会のクリスティーナ・グレンホルム(Cristina Grenholm)教会事務員によると、現在務めている同国の聖職者3060人のうち1533人が女性で、全体の50.1%を占めるという。

 グレンホルム氏はAFPに対し、「歴史的観点から言うと、われわれが想像していたより早く、こうして(男女)均等になった。1990年の報告書では、女性が全聖職者のうち半数を占めるのは2090年になるとみられていた。それから30年しかたってない」と述べた。

 ルーテル派のスウェーデン教会はカトリック教会と異なり、1958年に女性の聖職者を認め、60年には初めて女性3人に聖職位を授けた。

 また、スウェーデン議会は82年、聖職者が女性の同僚と協力するのを拒むことを認める「良心条項」を廃止した。

 2000年に政教分離が行われてからは特に、神学講座で女性の数が男性を上回るようになった。2013年の調査によれば、聖職者になるための教育を受ける人のうち70%を女性が占めていたという。

 グレンホルム氏は、「日曜礼拝で男性と女性の両者を祭壇に上げようとする試みが、多くの教区で行われている」と述べ、「神は男女両方の人間を神のかたちに創造されたと私たちは信じていることから、これについて話すだけでなく、実際に示されることも不可欠である」と説明した。

 しかし、教会紙によると、男女の聖職者間では月平均2200クローナ(約2万7000円)の報酬差があるという。

 グレンホルム氏はこれについて、男性の方がより高い地位にいることが要因だとしている。(c)AFP