【8月27日 Xinhua News】中国広西チワン族自治区柳州市の「神秘のグルメ」柳州螺螄粉(タニシビーフン)に外国人が挑戦する動画が、SNSでアクセス数を伸ばしている。柳州タニシビーフンは静かに世界の舞台へ進出し、中国と海外の文化をつなぐ味覚の懸け橋となっている。 

 8月の柳州。うだるような暑さも全国からの観光客を阻むことはできず、タニシビーフン店では地元市民に混ざって多くの観光客が舌鼓を打つ。注文が入るとまずビーフンをゆで、具を乗せ、スープを注ぐ。1~2分で酸味と辛味が食欲をそそるタニシビーフンが運ばれてくる。店舗で味わうだけが魅力ではない。店で1杯ビーフンが作られる間に工場ではインスタントのビーフン100袋が完成し、全国各地に配送されている。

 インスタントのタニシビーフンは重さわずか数百グラムながら、酸笋(タケノコの漬物)やサヤインゲン、落花生、キクラゲなど十数種類の具は店で出されるものと変わらない。各メーカーの製品にはビーフンやスープにそれぞれの特色がある。

 柳州市はここ数年、タニシビーフンの生産に関する一連の規格や発展計画を発表し、その範囲は原材料の栽培や生産加工、販売・流通、産業パーク、特色ある小鎮づくり、文化観光サービスなどに及ぶ。

 インスタントタニシビーフンの登場と工業化生産に伴い、地方の軽食だった柳州タニシビーフンは今や産業チェーンが整った売上高数百億元(1元=約20円)の一大産業に発展し、輸出規模も拡大し続けている。

 柳州タニシビーフンの最大の輸出企業の一つ、広西螺覇王食品科技の欧皓軒(おう・こうけん)海外事業部総経理によると、螺覇王タニシビーフンは昨年から海外市場で販売量を大きく伸ばしており、特に欧州と東南アジア市場では、今年上半期の売上高が前年同期比で20%増となっている。同社のタニシビーフン製品は現在、日本やアメリカ、カナダ、欧州連合、オーストラリア、東南アジア諸国連合(ASEAN)などの国と地区でよく売れているという。

 同社の姚漢霖(よう・かんりん)董事長は「われわれは引き続き海外倉庫を増設し、物流ネットワークを最適化することにより、全世界の顧客がこの東方の味覚の供宴を簡単に享受できるようにする。一杯の湯気の立つタニシビーフンで、中国の物語を語り、中華美食文化の独特な魅力を伝えていく」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News