【5月22日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は21日、南アフリカで白人に対するジェノサイド(集団殺害)が行われている証拠と称して印刷された記事の束を掲げた。

だが、南アのシリル・ラマポーザ大統領の前で公開された記事の中には、コンゴ民主共和国(旧ザイール)の写真を掲載した数か月前のブログ投稿も混じっていた。

トランプ氏は見出しをめくりながら、「人々の死、死、死、死、恐ろしい死、死だ」と述べ、これらの記事は「ここ数日間」に公開されたものだと主張。「これらはすべて、最近殺された人々だ」と続けた。

トランプ氏とその支持者たちは、南アで白人農民を標的とした「ジェノサイド」が行われているとの根拠のない主張を広めているが、南ア政府は虚偽だと否定している。

21日にホワイトハウスの大統領執務室で行われた首脳会談で、トランプ氏は「アメリカン・シンカー」というあまり知られていないウェブサイトに2月に掲載された、アフリカの部族主義に関する記事を掲げた。

そこには、防護服を着た赤十字職員が遺体袋を扱っている拡大画像が掲載されていた。

「見ろ。あちこちに埋葬地がある」「埋葬されているのは皆、白人農民だ」とトランプ氏は主張した。

しかし、キャプションによると、この画像は2月にコンゴ民主共和国の都市ゴマで起きた集団脱獄の際に女性たちがレイプされ、生きたまま焼かれた事件に対応する赤十字職員の様子を捉えたユーチューブ動画のスクリーンショットだという。

この動画を公開したのはインドのニュースメディアWIONで、ロイター通信から提供された映像を使用した。(c)AFP