【10⽉8⽇ Peopleʼs Daily】先ごろ全面稼働を始めた中国・福建省(Fujian)漳州市(Zhangzhou)の沖合いにある六鰲洋上風力発電所の16メガワット風力発電ユニットには、洛陽軸承集団が製造した軸受けおよびベアリングが使われている。同集団の王新瑩(Wang Xinying)会長は、「10年前には手が届きませんでしたが、かじりついてでもやらねばなりませんでした」と説明した。

 そして清華大学(Tsinghua University)などの大学や研究所と緊密に提携するようになったことなどで、新エネルギー自動車のベアリング(軸受け)、風力発電機の主軸ベアリング、鉄道車両のベアリング、さらに月探査機の嫦娥(Chang’e)、宇宙ステーションの天宮(Tiangong)、巨大電波望遠鏡の中国天眼(FAST)などの重要施設でも、同集団の製品が使われることになった。

 江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)の地下鉄6号線のトンネル工事では、中国鉄建重工集団(China Railway Construction Heavy Industry)が開発した3メートル級の主軸受けを搭載したシールド機の中鉄872号が活躍した。

 鉄建重工の技術関連の責任者である劉飛香(Liu Feixiang)氏は、「世界最大のシールド機に使用できる軸受けです」「かつて持ち合わせの機器で工法が決まりました。われわれは今や、どのような機器でも必要があれば作れます」と説明した。かつての中国では「できない」が当たり前だった。それが「できる」に変化し、現在では「より良くできる」に至った。

 中国は製造業の分野が世界で最も完備した国であり、製造業全体の規模は14年連続で世界第1位だ。2023年には製造業の付加価値が国内総生産(GDP)に占める割合は26.2%で、全世界に占める割合は約30%に達した。中国は、先進国が数百年をかけた工業化を数十年で達成した。

 中国の製造業界はミドルエンドとハイエンドへの進出を加速している。例えば、量産型動力電池単体のエネルギー密度は、世界のトップレベルの1キロ当たり300ワット時に達した。結晶シリコン-ペロブスカイト積層電池の効率は世界記録の更新を繰り返して34.6%に達した。新エネルギー自動車、リチウム電池、太陽光発電製品の年間輸出額は1兆元(約21兆円)の大台を突破した。戦略的新興産業がGDPに占める割合は約13%になり、中国全国のハイテク企業数は46万3000社に達した。

 中国では重点工業企業のデジタル化研究開発設計ツールの普及率が80.1%に達し、重要工程の数値制御化率は62.9%に達した。産業インターネットは主要な産業カテゴリーのすべてをカバーするようになった。中国では産業のデジタル化とデジタル技術を利用した新たな産業の創出が加速し続けている。

 従来型産業を高度化し、新興産業を拡大し、未来産業を配置する。中国では、現地の事情に応じた新たな生産力が形成され、発展の新たな力と新たな強みを絶えず形成している。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News