【2月27日 AFP】米南部テキサス州の保健当局は26日、予防接種を受けていなかった子ども1人が麻疹(はしか)で死亡したと発表した。米国で麻疹の死者が出たのは2015年以来、約10年ぶり。ロバート・F・ケネディ・ジュニア厚生長官は感染拡大の可能性を軽視している。

テキサス州保健局は「予防接種を受けていなかった学齢期の子どもが先週ラボック市で入院し、麻疹の陽性反応が出た」と発表した。

ラボック市は、この子どもが「過去24時間以内に」死亡したと明らかにした。

全米で予防接種率が低下する中、最近の症例は歴史的にワクチン接種に消極的なキリスト教の一派、メノナイトのコミュニティーに集中している。

米国では、麻疹、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風疹の新3種混合(MMR)ワクチン接種について長年虚偽情報を広めてきたケネディ氏が厚生長官に就任したばかり。

今年に入ってからテキサス州西部と隣接するニューメキシコ州で130件以上の麻疹の症例が報告されており、その大多数は予防接種を受けていない子どもだ。

テキサス州では18人が入院し、保健当局はこの流行が拡大する可能性が高いと警告している。

ケネディ厚生長官は状況を軽視しており、ドナルド・トランプ大統領の閣議中に記者団に対し、「珍しいことではない。麻疹の流行は毎年起きている」と述べた。

米国では1963年にワクチンが導入されるまで、毎年数百万人が麻疹にかかり、数百人が死亡していたとされる。同国は2000年に麻疹排除を宣言したが、流行は毎年続いている。(c)AFP